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税務情報

納税通信3682号 vol.2
【業績悪化による不支給でも・・・ 役員報酬の税務上の注意点】

July 25, 2021

その他

Q2 業績悪化による不支給でも・・・ 役員報酬の税務上の注意点

 

 取締役に役員賞与を支払うこととし、期限内に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出していましたが、業績が悪化しているため不支給としようと思います。不支給であれば、損金不算入等の問題もないので税務上注意すべきことはありませんよね。

 

A2 支給日より前に、役員から「役員給与辞退届出書」を提出してもらっていないと、源泉所得税が課税される可能性があります。

 

 事前確定届出給与とは、支給時期、支給金額等を事前に確定し、その定めのとおりに支給される給与をいい、株主総会等において決議をした日から1月を経過する日までに「事前確定届出給与に関する届出書」を所轄の税務署長に提出しなければなりません。

 「事前確定届出給与に関する届出書」を提出していたにもかかわらず全く支給しなかった場合、そもそも支給していないので、損金不算入となる金額もなく、法人税における課税所得には影響しません。しかし、支給日には役員に報酬請求権が発生しているため、原則として、源泉所得税が課税されることになります。源泉所得税の課税を回避するためには、役員から「役員給与辞退届出書」を提出してもらうなど、支給日よりも前に辞退の意思教示を示してもらう必要があります。

 

 

 事前確定届出給与を届出どおりに支給されているかどうかは、個々の役員ごとに判断します。支給した役員と支給しなかった役員がいた場合でも、届出どおりに支給された役員に対する支給額は損金として認められます。

 

 

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